2014年12月30日火曜日

【レポート】2014年の下半期に気になった作品

師走ですね。という年末ですね。。
前回のblog更新したの7月というのが結構ショックというか、blog全然書かなくなってしまったのが地味にショックです。

というわけで下半期の気になった短編映像を厳選しました。
下半期はあまり映像作品を見なかったせいか、選ぶ本数も少なめ。

Eye know from Hiroshi Kondo / STNW on Vimeo.
昨年も近藤さんのMVを推薦したんですが、今回はオリジナル短編作品。
街灯がジオメトリックに構成され、ホイットニーの作品のような昔のCGアニメーションを彷彿させる。夜景の撮影素材だけで展開された映像表現の幅広さもグっときました。




ファンタジスタ歌磨呂ディレクションによるファレルのMV。鎮座DOPENESS「mogu mogu」のMVを初めて見た時の衝撃を思い出させてくれる力作。ドット絵、セルアニメ、水彩ロトスコープにモーショングラフィックスと異なる技法が一体感なくパッチワークされている。



Chet Faker - Gold from Hiro Murai on Vimeo.
ホットパンツ履いたお姉さんがローラースケートで夜の車道を走るだけのMV。
モチーフ選びの時点で勝負が決まった感が凄い。



Barcelona GO! from Rob Whitworth on Vimeo.
超絶タイムラプス。情報量で他者を圧倒する良い参考例だと思う。



Mother from Fabrice Le Nezet on Vimeo.
古くても良いものは良い。



GENERIC TITLE PACK from SPACE SHOWER TV on Vimeo.
液晶モニターと水晶体を組み合わせたSSTVのステーションID。モニターや水晶の中に反響し映し出されたモーショングラフィックのピクセル感の気持ち良さが不思議な質感を生んでて面白かったです。




『フレンドリーさ』が持つ不気味さ。小学校の授業で描かされたようなつたないタッチも曲のテーマとハマってて気持ち悪いのが凄く良い。


下半期はこんな感じ。
上半期の方が語りたくなる作品が多かったように思う。なんでだろ。
雑な感じでまとめちゃった。




2014年7月24日木曜日

【レポート】「いつからCGはアニメーションになったのか」のメモ

なんかやらしいタイトル付けてしまったように思うんですが、コレは2014年の3月に「円盤」というイベントスペースで行われたアニメーション文化総合研究所の同名イベント。寺川賢士氏による司会進行、美術評論家の西村智弘氏の解説のもとイベントが行われました。

アニメーションの文脈において、CGはアニメーションなのか?という議論は度々目にするし、CGの本質が現実のシュミレートにある(軍事テクノロジーで研究され、弾道軌道のシュミレーションなどにCGが使われた)ので、それをアニメートと呼ぶべきなのか?という疑問はアニメーション表現に携わるものであれば興味深い問題だと思う。

おれ自身、CGを用いてアニメーションを作っているので、今回のトークイベントは大変興味深い問題=「いつからCGはアニメーションになったのか」を投げかけている。以下は当時のtwitterで書き込んだイベントのレポートです。

時々、あのイベントの事を思い出すんだけど、忘れないためにもブログに埋め込んどきます。








































2014年7月20日日曜日

【レポート】2014年の上半期に気になった作品

ご無沙汰しております、大橋です。
前の記事から三ヶ月も更新してないし、なにより自分の考えを活字に起こさないのも良くないと思い久々にblog更新。5〜6月はゆずのコンサートムービーやらazuma hitomiの映像周りの仕事で休みなしな感じでしたが、やっと生活が落ち着きを取り戻しました。。


そういえば昨年やってた毎月の気になる作品をチョイスしてたんですが、今年は特にやらなくても良いかなーと思ってたものの、一度インプットしたものを整理する機会はあった方が良いかなーと思ってリストアップしました。


カラスは真っ白 "fake!fake!" / A crow is white "fake!fake!" from wataru336 on Vimeo.
一発目はまずコレ。
植草航「やさしいマーチ」を初めて見たときの衝撃を思い出させる「カラスは真っ白」のMV。ビデオの構造的にも音楽的にも先に挙げた作品と類似してるところが多いが、(繰り返し似たレイアウトで少女が何かに走り向かってゆく)ミュージシャンのバックグラウンドを拾ったかのような舞台設定で、パステル調の雪景色と攻撃的でビビットなアニメーションの描写が彼の過去作品にはなかったギャップと痛快さがあってとても印象的で、新しい魅力を感じた。




Lumière 6 Excerpt I from Robert Henke on Vimeo.
レーザープロジェクターを用いた映像作品。過去のマックス・ハットラーが作った「X」という作品を思い出させますが、よりプリミティブな光の表現として「レーザーがあったかーーー!!!」と関心させられました。教会で光の運動を見る、、、というのも良いですね。自分の作品もレーザーで投影したいです。CG表現のアウトプット先が今後、3Dプリンターのような物質性を帯びた表現か、今回のようにいかに光の純度を上げていくかの2択になるんじゃないかなーと思ったり。



Don't Hug Me I'm Scared: 1 from Don't Hug Me I'm Scared on Vimeo.
既視感というものを上手く利用した内容。テーマは知育番組そのものなんですが、欧米の児童向けのアニメーションを見えるかのような暴力と笑いに溢れてて爆笑しました。



何故自分でもコレに感動したのが未だに分析しきれないけど、どうしてもピックアップしたいので。

BEARS ON STAIRS from DBLG on Vimeo.
3DCGがパペットアニメーションの代用から一周回って3Dプリンターを用いて3DCGが立体アニメーションになってしまったナンセンス感。あとクマの動きが良い感じです。これも中々笑えます。


Shape from Johnny Kelly on Vimeo.
ベクタールックのアニメーションで上半期目を引きつけたビデオ。レイアウトの美しさが光る内容ですが、面白いのがカメラが寄ったよきに単純な線が具象的なものに変容する表現が「解像度」の変化を面白く現してると思いました。


Springintgut & F.S. Blumm "Land Ab Neu" Music Video from nightcruising on Vimeo.
昔、学生CGコンテストをはじめとした国内のコンペを総なめした「ALGOL」の作者である岡本憲昭氏の実写MV。ムービーデータを3Dレイヤーにして箱庭的な空間にレイアウトした世界はgoogleのストリートビューをグリグリ見渡すような気持ち良さと妙なエモーションを感じさせる。2Dデータを3Dレイアウトするとチープになりやすいけど、そこを表現として自立させるところに痺れました。


スペシャプラス アイドルソングランキング from SPACE SHOWER TV on Vimeo.
上半期のトンチ大賞。こうして見ると人間の体の構造を垣間みる光の軌跡(CGだけど)が美しい(ヲタ芸だけど)コレ思い出した→


MIRAI MIZUE × PASCALS【WONDER -Trailer -】 from MIRAI_MIZUE on Vimeo.
水江未来氏の新作WONDERは劇場で行われた「ワンダーフル」で拝見しましたが、これまでの細胞アニメーションの持つレイヤー構造とは異なり、すべて一枚の原画でレイアウトが完結するように作られてるところが「細胞ルック」の作風では見られなかったポイントでした。有機的に飛躍する様々なイメージに、水江さんが目にしてきた形や色彩がフラッシュバックするかのようにメタモルフォーゼし、そこにアニメーションでしか出来ない表現を垣間みて感動しました。一方で劇場で過去作品も含めて一挙に見ると、JAM以降の細胞アニメーションの盛り上げ方が楽曲問わず最終的にカオスティックな方向に持っていきがちなので、今制作中の具象アニメーションがどういう構造を持ってるのかがとても気になるし楽しみです。



プロダクション風景をあえて見せてくパターンの中でも一番見ていて楽しかった作品。ザックリした感じも曲にハマってて良かった。



デモムービーですが、ハードの制約が生む質感にはグっと来ます。



最後は王道をテーマに。
実写のMVで「演奏シーン」「ダンス演出」という言葉だけならべると、いかにも手堅い演出になりがちだけど、舞台設定でそれらの王道演出を必然的な内容に変えた秀作。少女だらけのバレエ教室に色白の少年だけポツンといるシーンも美しいです。何げにミュージシャンに演技をさせるって結構リスキーだと思うんだけど、映像に見入ってしまいました。



ーーー

という感じです。実写多いかなーと思いつつもまとめてみたらアニメーションが多かったですね。。個人的に3Dプリンターをはじめとした新しいハードを使った映像表現が下半期に続出するんじゃないかと期待しちゃったりしてます。

という感じで下半期も宜しくお願いします。

2014年4月15日火曜日

最近のMVの傾向について雑感

youtubeで日本のバンド系のMVを見ると、プロジェクションされたスタジオをバックに演奏する、、、というアプローチのビデオがすごく増えたことに気づく。

予算がないなかで、スタジオ一室借りて作り込んだ映像を投映出来れば画面に動きやルックの変化も容易に作れて、グリーンバックで抜いて合成する必要もないしコスパに良いんだろうな、、、なんてことを思いながらMVを見ている。





これはちょっと離れ業。

プロジェクションじゃないけどLEDの映像を撮影。
現場めっちゃ眩しそう。

これらのような、『記録された映像を投映し、再び撮影する』タイプの手法って2年程前に開催された改装された東京駅にプロジェクションマッピングするイベントによる影響ってすごくあるんじゃないかな、って思っていて、日本であの手法が脚光を浴びた最初の作品じゃないだろうか。いままで映画館で何気なく見てた「プロジェクション」というものが「手法」として見られるようになった瞬間である。

プロジェクションマッピングは、HD再生出来るプロジェクターが大変高価であったり、マッピングするためのソフトを使いこなしたりなどハード面でもソフト面もそれなりに敷居が高いので、インディーズバンドではマッピングするには手は届かないけど、投映するだけなら話は別。

面白いのが、例に挙げたMVは、正面からガッツリ演者に映像を投映してるところ。

SEKAI NO OWARIのMVにもプロジェクションを使ったMVがあったけど、よく見るとリア(スクリーンの裏から)で投映されてる。リアで映せば演者に映像が被らずキレイに撮影することができる。このビデオが出来たのは2011年で、まだ東京駅のプロジェクションマッピングが開催される前のこと。

あえて正面から投映することで、立体物に当たる映像の歪みや、それによって落ちる影みたいな汚れを残すことに対して作る人も見る人も抵抗がなくなったのかなーと思ったり。つまり映像を投映するのは必ずしも平らである必要はないっていう前提が作り手にも受け手にも芽生えてるように思える。


そもそも記録した映像をまた記録するってちょっとおかしいと思うんですよ。カラーコピーしたプリントをまたカラーコピーする感じというか。テクノロジーを間違った使い方をしてると思うんだけど、映像業界の最新のフレームワークである3Dとか4Kなどに言えるリアルに・精密に見せる傾向とは明らかに逆の方向を見ている。


今後、手法としての投映がどう変化していくのかは楽しみだし、キレイに作ることが正解とは限らなくなった現状は、面白い傾向に向かってるなーなんて無理矢理まとめてみた。


眠いです。




2014年3月12日水曜日

【新作】fhána - kotonoha breakdown



ってなわけで、iTunes注目アーティスト2014に抜擢され、最近では『有頂天家族』『ウィッチ・クラフトワーク』のタイアップ曲で話題のバンド"fhana"のMV『kotonoha breakdown』を監督しました。

ビデオの込み入った話をするまえに、この楽曲の説明をすると、kotonohaは2011年の3/11に起きた一連の震災や原発事故、それによって変わってしまったSNSのコミュニケーションの姿を描いている。

fhanaのリーダーである佐藤純一氏は、元々FLEETっていうバンドで活動してて、おれもその頃からの活動は知ってたけど、3/11直後に津田大介氏と一緒に活動するなかで、伝えたいことが届けたい人に伝わらず、不本意な受け取り方をされたりと、そのときの状況をネットで見ていたので、今回の楽曲が生まれた経緯を呑み込みやすかった。

MVのプロットを考えるときは、なるべく曲と映像のテーマは違った方が良いと考えていて、それは見る人が表現に対しての解釈に広がりが生まれるんじゃないかと思っている。しかし、今回おれは、佐藤さんが体験したtwitterでのコミュニケーションの摩擦や、それによってネットの切迫とした空気感を、映像で翻訳したいと考えた。

(上から下に流れるカメラワークの演出が多いのも、twitterやFacebookのようなSNSのタイムラインを意識してる。)

画面作りの話をすると、アジアの伝統色の配色パターンや写真作品の色合いを参考にしつつ、ベクターベースの画面作りに湿気を感じさせるようなフィルターエフェクトを加えている。

そこに、セカンドライフのようなアバターの世界に、pixivで見られる『可愛い人物キャラクターとジオメトリックな景色』をモチーフにしたイラストのイメージを組み合わせている。ちなみにキャラクターデザインは、fhanaの自主制作盤の特典マンガを描いたゆずさちゃんが担当。

そして、背景の都市がテキストにメタモルフォーゼするのも、人がタイピンクするコミュニケーションに没頭することで周りの景色が見えなくなる心理状態を表現した。

よくアニメの演出で、キャラクターの心情を抽象的なビジュアルの背景で表現することがあると思う。


こんな感じに。

一方で、心象表現のもつ野暮ったさも感じていて、自分なりにそれを解決したかった。そこで、背景の作り方を10 x 10pxのグリッドにスナップするようなデザインにして、タイポグラフィもグリッドにおさまる図案的な作りにすれば、『背景→文字』の変化が自然に繋がると考えた。


モーショングラフィックスで表現するのであれば、景色→心象風景の変化もデザインのトンマナを揃えれば自然なつながりになる。

ちなみに小ネタになるのだが、佐藤さんが登場するシーンで、背景の文字をよく見ると、佐藤さんがfhanaを始める前のバンド『FLEET』でエゴサーチしてる演出をしたのは、このMVが3.11の前〜その後の切迫としたネットの世界を表現してるからだ。

あまり直接的に震災や原発事故をカリカチュアに描いた作品には妙な近寄り難さをおれは感じてしまうので、なるべく、今回のMVは佐藤さんの体験を汲み取りつつも、もう少し広い解釈が出来るようにしてみたつもり。

他にも小ネタとか言いたいことはあるが、全部書くと長くなるので割愛。

特にオチはないが、ビデオがリリースして間もなくテンションが高いうちに、制作ノートを書いておく。。。

ーーー
加筆

fhanaのリーダーである佐藤純一さんのblogに、今回の楽曲に対する想いが書かれてるので、是非そちらも見てほしいです。

http://fhana.jp/blog/jsato/2014/03/11/




2014年2月4日火曜日

OVERLAP 2014


ってなわけでvimeoにショーリールもといOVERLAP2014を公開致しましたー。
実はちょうど先日(2/1)発売されたばかりの「ブレーン」という雑誌のニュークリエイターというコーナーに自分の作品とか仕事を紹介してもらったんですが、ちょうど良いタイミングと思ってリールも公開しちゃおうと思いつきました。

前にリールを作ったのが2012年(学部〜大学院を修了までの作品)だったので、今回はフリーランスになってからの仕事とか作品が中心になってます。当時は"アカデミックに美術を学んでる"っていう事を意識的に作品やメディアでアプローチしていたんだけど、ちょっと畏まってた感じが作品から滲んでたかな、、と思っていた。今回リールを新しく作ってみて、学生時代に比べてユーモアみたいなものがより強調されつつ、勉強してます感というあざとさが薄くなったように思える。自分で言うのもなんだけど、大学を出てからそれなりに腕を上げつつ、考え方も変わってきているなとリールを作ってて実感した。

それと、リールのなかに入れたメグちゃんのMVや、まだ公開してないんだけど、3月に発表するMV(アメピグみたいなキャラが出てくるアレ)はドメスティックな文脈の濃いミュージシャンを海外の人にもウケる形でパッケージしようとしたビデオなので、今年は単に"流行との距離の置き方"で作風のバランスをとっていくことから、"文化の届け方"にもっと着目してよりポップでより鮮やかな表現へ昇華出来ると良いなー、、、なんて思ってます。

ところで、今回のリールのために曲をtomggg君に新曲を書き下ろしてもらったんだけど、前回のリールはCHANNELERでミックスを担当していただいた石田多朗さんとはまた作風の違ったトラックメイカーで、音大でアカデミックに作曲や電子音楽を学んだ教養がありつつも、マルチネレコード等のネットレーベルでのEPをリリースしつつsoundcloudで楽曲を発表したりと、今のダンスミュージックのトレンドを理解してるという、、、ちょっと特殊なポジションのミュージシャンです。



随分前にtomggg君のfizzやviviなどを聴いて、まるで日本のゲームミュージックのような劇的な展開、ユニークな音ネタに、某アイドルの声ネタを加工したメロディラインなど、近年の洋楽志向が強いモテ線ダンスミュージックとは違う作風と自分のモーショングラフィックがハマりそうだと思い、今回のリールの曲を作って頂きました。

さっき書いたような"流行との距離の置き方"とか"文化の届け方"という話にちょっと繋がるんだけど、tomggg君はサンクラ系トラックメイカー特有の「海外志向」「モテ線」とは違うんだけど、日本人の作る面白いダンスミュージックが作れてるところに惚れ込みました。今後はテクネとかの仕事をすごくやりたいので、是非tomggg君とはまたタッグを組んで面白い作品を作れたらなーと思ってます。



!!!というわけでお仕事お待ちしております!!!


2014年1月19日日曜日

【新作】メグとパトロン - パリパリパーリー



ってなわけで、日本のネット発ポップカルチャー通ならご存知「さよならポニーテール」のメンバーであるメグのユニット「メグとパトロン(通称メグパト)」の新曲"パリパリパーリー"のMVを監督しました。
(youtubeはコッチで観てね)

元々、さよポニの「魔法のメロディ」っていうアルバムが好きだったのですが、文系の香りの強いミュージシャンだけに実際に仕事となると縁はないだろうなと思ってたのですが、さよポニのプロデューサーであるクロネコちゃんから直接メールでメグパトのMVの依頼が来たのはかなり感慨深かったです。

んで、実際にクロネコちゃんからの要望で


  • さよポニとの明快な差別化
  • 手癖のないルック
  • 音ゲー的ギミックに溢れた世界観



というのを汲み取りつつ好きなことをやってほしいというお題が出されたので、それに対して


  • 理系的アイディア(さよポニが文系っぽいので)
  • アンチエイリアスのないカリカリのCGルック(曲線要素などリッチな要素を排除)
  • ビブリボンを踏襲した世界観(曲を聴いたときの第一印象が波形をイメージできたので)


という3つの要素を思いつき組み合わせていって考え出した企画が、近年流行してる「理系女子」「ギークガール」の波にのるかたちで電子回路図の世界をメグちゃん(頭にリボン付けてメガホンもってる女の子)が冒険するプロットになりました。




アイディア自体はすんなり決まったんですが、電子回路図らしくしすぎると画面が野暮ったくなり、画作りに走り過ぎると「らしさ」が失われちゃうので、そこのバランスの取り方がとても難しかったですが、トンチ系のアニメーションは久々に作るのでかなり楽しめました。

(ちなみに、今回のMVの元ネタはビブリボンと公言しましたが、他にも90年代のTVゲームやアーケードゲームのオマージュがあったりします。分かる人は年齢がバレるかもw)


ともあれ、今後もメグちゃんのプロジェクトに関わっていくので、メグちゃんのtwitterを定期的にチェックしてもらえるとうれCです。メグちゃん、かなりマルチな才能を持ってる子なので、次の曲も楽しみっす。国内のポップカルチャーが海外でも反応を得ると良いなぁ〜なんて思いながらvimeoでもリリースしました。勢いで書いてるので文章が雑な感じになってますが、かなり気持ちが高揚しております。

2014年1月6日月曜日

【レポート】2013年に見た短編映像作品 BEST10

あけましておめでとうございます。
一年間webだったり映画館で見て来た短編のアニメーションやMVのBEST10を選別しました。今年はファブリケーションの技術を映像作品に応用した作品もちょいちょい見受けられて、「手癖のないルックだけどフィジカルさがある」というのが昨年の傾向にあるなーと思いました。他にもデスクトップで完結する手法に満足感が自分自身が感じなくなったり、特別大きなドラマやセンセーショナルなアクシデントもない微熱的なテンションの作品が集まった気がします。

作っていてテンションの高い作品の方が好きだけど、webで映像を見る事自体、なにか面倒臭さを感じるので、起伏の激しかったり異常な情報量の多い映像に何か押し付けがましさを感じるのかなーと思ったり。

ってなわけで以下BEST10です。


Shugo Tokumaru "Katachi" from Kijek / Adamski on Vimeo.
2013年で一番面白かった短編の作品を選べと言われたら真っ先にこのMVを推薦すると思います。Aiのパスっぽい手癖のないフォルムの板が手前奥に連なってゆくストップモーションで、手法的には目新しさはないように思えるんだけど、人肌を感じさせないフォルムをフィジカルな素材に落とし込むギャップが今っぽい映像表現だと思った。

驚きや新しさはないんだけど、「良いな」と思える良作。


Is Tropical / Dancing Anymore from riffraff films on Vimeo.
下らなくて好きです。




The Clockmakers / Les horlogers from National Film Board of Canada on Vimeo.
モーショングラフィックスにおける画面作りって、ヘソを一カ所に固定しがちだけど、前半の展開は不思議な重力感を覚えました。モーショングラフィックスって「止まってもグラフィックとしての魅力が伝わる」ことを意識されてる作品が多いなか、「動いたときに一番魅力を感じる」モーション系の作品に久々に出会った。



Sefton's Dream from Michael Aubtin Madadi on Vimeo.
ブラウン管にお絵描きビデオゲームを流しながらセルアニメを張り合わせたハイブリットな手法のアニメーション。webで映像を見る事自体、なにかかったるさを覚え始めてる今日ですが、フルスクリーンにして展開を丁寧に見守りたくなる作品だと思った。


BEAUTY OF MATHEMATICS from PARACHUTES.TV on Vimeo.
日常生活に見受けられる現象をノーテーションと数式に表したモーショングラフィックス。ノーテーションの美しさは物理的に物事が成立されるためのバランスに裏付けされてるのかなー、、というのを考えさせてくれました。



YAKENOHARA - RELAXIN' MV やけのはら / RELAXIN' MV from saigo no shudan on Vimeo.
微熱系MV。特に大きなドラマが起きることはないんだけど、淡々と部屋のなかの家具がウニュウニュ動く様を眺めるだけで充実感が得られる良作。

Suck a Stew Dry - 世界に一人ぼっち from Hiroshi Kondo / STNW on Vimeo.
超絶マスクMV。プリズムのなかに表象が屈折してるかのようなルック。丁寧なカメラワークや美しいカラコレ。素晴らしい伝統工芸を間近で見たような感覚を覚えました。


Whaty by Barry Doupé

粒子のような細かいピクセルが様々な形体の顔(?)に、メタモルフォーゼするだけのアニメーション作品。まだ作家のバックボーンのリサーチをしてないので、色々突っ込みにくいんだけど、魅力的なCG作家をまた一人見つけることが出来て嬉しかったので推薦。

Oneohtrix Point Never - Boring Angel

LINEみたいなグラフィックだけのコミュニケーションが成立した時代だからこそ生まれたMVだと思う。やられた感。


"夜ごはんの時刻 / It's time for supper." Trailer from sakimuramoto on Vimeo.
2013年の芸大アニメーション専攻の作品のなかでとても印象的だった。観察とユーモアによって成り立つ作品。もう一回映画館で見たい。


ーーー

という感じです。
ってか12月の気になった作品やってないじゃん!って思ったんですが、師走は仕事がクソ忙しくてそんなに作品見れてないので割愛です。


そんな感じのノリですが2014年も色々仕事ください。