なんかやらしいタイトル付けてしまったように思うんですが、コレは2014年の3月に「円盤」というイベントスペースで行われたアニメーション文化総合研究所の同名イベント。寺川賢士氏による司会進行、美術評論家の西村智弘氏の解説のもとイベントが行われました。
アニメーションの文脈において、CGはアニメーションなのか?という議論は度々目にするし、CGの本質が現実のシュミレートにある(軍事テクノロジーで研究され、弾道軌道のシュミレーションなどにCGが使われた)ので、それをアニメートと呼ぶべきなのか?という疑問はアニメーション表現に携わるものであれば興味深い問題だと思う。
おれ自身、CGを用いてアニメーションを作っているので、今回のトークイベントは大変興味深い問題=「いつからCGはアニメーションになったのか」を投げかけている。以下は当時のtwitterで書き込んだイベントのレポートです。
時々、あのイベントの事を思い出すんだけど、忘れないためにもブログに埋め込んどきます。
昨日のアニメーション総合研究所で行われた「いつからCGはアニメーションになったのか」すごい良かったし、大学生に戻ったような気分になってエモかったです
http://t.co/bZYnYxtiWP
— 大橋史@渋谷WOMB8/16 (@ohashitakashi) 2014, 3月 15
ザックリとレポすると、イベントのタイトルになってる「CGはいつから〜」というのに対し、ゲストの西村智弘氏は「CGははじめからアニメーション。逆に、いつからアニメーションとして見られなくなったのか?」が正しいのでは?という話からトークスタート。
— 大橋史@渋谷WOMB8/16 (@ohashitakashi) 2014, 3月 15
その後、駆け足でCGの歴史を振り返る。第二次世界大戦によって作られたコンピューターが、その後40〜50's以降のCG研究に繋がって、60'sからホイットニー兄弟などフィルム出身の作家がCGを表現に扱うようになる。
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60'sのCGアニメーションは、「CGを一コマずつ動かして紙に出力。それをフィルムで撮影する」というプロセスでないとアニメーションが作れなかった。森卓也が定義する「コマ撮りされた映画」がアニメーションとするならば、CGははじめからアニメーションだった。
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ちなみに60'sのCGアニメーションにモノクロ作品しかないのも、カラープリントがなかったから。(日本の作品で例えるなら『風雅の技法』)
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60'sは抽象作品しかなかったが、70'sに入るとCGにもピーター・フォルデス『ハンガー』のようなナラティブ作品と、ジョン・ホイットニー『アラベスク』のようなノンナラティブ(抽象)作品の二種類に分けられるようになった。
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Peter Foldès - Hunger https://t.co/xFwEB1XgNi John Whitney - Arabesque https://t.co/KFaegZP7UL
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72年にユタ大学で"3DCG"の研究が始まり『ハーフトーン・アニメーション』が作られる。https://t.co/NfQ62MitGn 以降80'sに入ると商業映画で3DCGが使われ始め『トロン』や『ルクソー・ジュニア』が作られる。
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86年に作られた『ルクソー・ジュニア』はアカデミー短編アニメーション部門で始めてCG作品がノミネートされた作品でもある。
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90'sから特撮分野で3DCGが発達し、『ターミネーター』『ジュラシック・パーク』など、実写と区別が付かなくなるようなCGが作られた。
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CGの歴史はココまで。司会の寺川氏とゲストの西村氏がまとめに入る。90's以降の3DCGの『実写と区別が付かないCG』が生まれてから、CGはアニメーションと特撮が曖昧になっていった。あれらの3DCGは"アニメーション"というより"特撮"と言った方がしっくりくるのでは。
— 大橋史@渋谷WOMB8/16 (@ohashitakashi) 2014, 3月 15
ここまでがイベントレポ。トーク後に司会の寺川氏と西村氏にモーショングラフィックスの定義って何だと思うか?って質問したら「グラフィックデザイナーが作った映像は、アニメだろうが実写だろうが、モーショングラフィックスって言って良いのでは」という返答。
— 大橋史@渋谷WOMB8/16 (@ohashitakashi) 2014, 3月 15
あとイベント後に寺川氏の発言で、「アニメーションやってる人はジャンル別けに強く拘る人が多い。ジャンル別けをしたがる心理の底には"俺とお前は違う"っていう差別意識が働いてると思う」って言葉が印象的だった
— 大橋史@渋谷WOMB8/16 (@ohashitakashi) 2014, 3月 15
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