2013年8月9日金曜日

ピーター・ミラード イン トーキョーに行ってきた

先日(8/4)、渋谷のイメージフォーラムで行われたピーター・ミラード イン トーキョーの上映&ワークショップに参加してきました。

ピーター・ミラードといえば、変態アニメーションナイトによってコアなファンを獲得してるイギリスのロイヤル・カレッジ・オブ・アーツという美術系の大学院出身で、アニメーションを専攻していました。


ご覧の通り彼の作品は普段目にするアニメーション作品とは違い、お世辞にもルックは洗練されていないしアニメートもキレイな緩急が作られてなく、鑑賞者によっては作品として破綻してるようにも見えるが、それは鑑賞者側が無意識にアニメーションにおける表現様式を期待してるからに過ぎないと僕は思っている。


ピーターの作品を初めて目にしたのは2年くらい前で、たまたまvimeoのTLに彼の作品のサムネを目にして、あまりに造形が崩壊したビジュアルが気になってリンクを飛んで映像を見たら仰天したのだ。

どうしたら、こんな突拍子もないモチーフの組み合わせとメタモルフォーゼを思いつけるのだろうか。彼の作品の裏側を知りたいと思っていたので、今回開催されるワークショップで、その創作の原点や秘密を知ることが出来ると思い、期待を膨らませた。



ワークショップではピーターの制作プロセスの解説と、それに基づいて参加者が40コマで4秒のアニメーションを作って、一本の作品に仕上げるという流れになっている。肝心の制作プロセスだが、ピーターは無意識のうちに思いついた言葉をすぐさまノートに書き続けて、そのなかで特に印象的だった言葉を厳選して、それらをアニメーションのモチーフにしていくというシンプルなものだった。

参加者は皆、イメフォの教室に鳴り響くピーター厳選のジャズミュージックをBGMに黙々と紙に思いつく限りの言葉を書き記していくが、僕は何故か「ピーナッツ、豚小屋、目玉」という要素が印象的な言葉として残ったので、最終的にその三つを自分のアニメーションの要素に登場させようと思った。





これが当日20名近く参加した受講生とピーター本人のアニメーションが一つになった作品(ちなみに僕のは1分後くらいに登場します)。実際にWSに参加してみて感じたことは、3つの言葉の要素を一つのアニメーションに組み合わせようとすると、普段自分が使う造形を起こすためのロジックとは違ったイメージの展開が出来てしまった事に驚かされた。

自分の知らない脳みそのコントロールの仕方を体感したような、とても新鮮な経験だったと思うし、言い方を変えると自分の体のコンディションを理解してつもりだったが、全然理解出来てなかったようなショッキングな経験とも言える。

あとは美大受験以来に画材使って作品を作る経験をしたので、自分の体からダイレクトに欲しいイメージを書き写せるスピード感とか身体性のもつ気持ち良さを久々に体験したのは楽しかったなぁ。



当日翻訳と司会を担当した土居さんもお疲れ様でしたー。
ピーター、また日本に来ないかなぁ。