2010年7月1日木曜日

HIFANA -電話 / Damn What Ringtone- (1)

というわけで、僕のブログの第一回目のテーマは最近お仕事をさせていただいたHIFANAのMVについて色々ご紹介させていただきます。





これは僕が多摩美の学部四年の時に制作したものです。
今から一年ほどまえにvimeoにW+K TOKYOのアートディレクターであるシェーン氏からメールを頂いて「一緒に仕事をしたい」的なメッセージを頂きました。当時の僕は社交辞令的なモノかと思ってたんですが、その一年度(つまり今年の年明け)に再度シェーンさんから連絡が来て「短いビデオを作って欲しい」と正式な依頼が来ました。僕の音と映像をシンクさせた作品スタイルがHIFANAのビデオにピッタシだと思っていたそうで、プロディーサーさんも「すぐに彼を連れて来てくれ!」と頼まれたそうです(笑)


んで、制作の流れはザッとこんな感じ


  • 事務所で顔合わせ→プロジェクトの概要とデモ音源を頂く
  • HIFANAから「職場に自分の携帯が鳴り響くけど見つからず、やっと見つけたら履歴に彼女から着信があった(ココでビデオが終わる)」というストーリーの骨組みを頂く
  • 曲に対してイメージに合いそうなスケッチや資料をまとめた「トリートメント」を提出
  • それを土台に本格的なデザインボード詰め
  • W+KのOKが出たら本格的に制作開始
  • 曲のブラッシュアップに合わせて演出も微調整
  • ビデオの完成→納品♡

ザックリ説明するとこんな感じ。
クライアントワークは今回のビデオが初めてだったので、色々勉強になることが多く、特に思ったのが「他人と完成のビジョンを共有する」という点。学部のころはほとんど自主制作しかしなかったので、制作の過程において「他人とモノごとを共有する」事は皆無でした。そのせいか絵コンテらしいものもほとんど描かなかったし自分がわかってればソレでOK、というのがデフォルトだった今回は細かい演出にまでW+Kのチェックが入り、アウトプット自体はシンプルなビジュアルですが、カット割やキャラクターの表情、フォントのアイディアなど様々なところにアートディレクターの意見が反映されてます。



トリートメントでのキャラクターのスケッチ。
これはCOWMANというHIFANAがすでにデザインしたキャラクター(画像上)をぼくがアレンジしたものです。会社という舞台設定なのでスーツ姿。またアニメーションの作風も昔のアメリカのカートゥーンアニメやサムライジョーのようなビジュアルにしたかったので、骨格を感じさせないシンプルなデザインになりました。



んでこちらは作中に出る会社の同僚。
イメージの元ネタはマトリックスのエージェントスミスやベルヴィル・ランデブーに出てくるマフィアの手下だったりします。





コレが最初の絵コンテ。
この時は最初のデモ音源を聞きながらストーリーを書き起こしてきました。





これはビジュアルの方向性。この段階で明度分割がハッキリしたモノトーンの世界が固まっていて、なおかつ同じオブジェクトが大量にある幾何学的な空間になりました。なぜ同じオブジェクトが大量にあるのかというと、曲が一定のフレーズをひたすら繰り返す「着メロ」のような音楽だったからで、その時「反復」や「幾何学」というキーワードが頭に浮かび、それを視覚化しました。


この段階で二週間近くかけてプロジェクトを進行させました。ぼくがディレクター初挑戦ということもあってか(どうかは分からないけど)W+Kの皆さんが時間をかけ丁寧にプロジェクトを進行させてくれたので、僕の安心してお仕事が出来ました。


次のエントリーでは、本格的な制作のお話とかしようと思います。

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