というわけで、今年もはじまりました恒例の上半期に見た短編映像の気になる作品をピックアップしてこうと思います。
Caleb WoodにAnthony Francisco Schepperdそして日本からは平岡くんと、著名なアニメーターが集結したDan DeaconのMV "When I Was Done Dying"。近年の、異なる世界観を持ったクリエイターが一本の映像作品を作る流れが増えてる中で、アニメーター(手書き、CGなど)にフォーカスを当てて作られている。個人で一つの作品を完成できることが当たり前になった時代において、クラウドソーシングというアプローチで作られる表現の面白さが際立ってきてると感じる。異なる世界観が連なることで、予測不能な展開や過剰な情報量がDan Deaconの楽曲によってバラバラになりそうな要素を繋ぎ止めている不思議なバランス感が良い。
おそらくビデオで撮影した人物の動きをプリミティブなグラフィックでトレース(ロトスコープ)したアニメーション。とても短い尺であるが、ロトスコ特有の「レンズ越し感」が感じられず、アニメーションとしての動きの面白さと抽象的なイメージが次第にダンサーの動きに認知してゆく過程も脳に気持ち良い。
SXSW 2015 Gaming Awards: Opening Sequence from Imaginary Forces on Vimeo.
「ブラウン管越しの質感」はいつか自分もやってみたいと思っていたが、先にやられてしまった!王道なモーショングラフィックスをブラン管越しで、それをカメラで撮影することで生まれる空気感など、ディテール作りで他のモーション作品と上手く差別化できてて印象深かった。
菅原そうたヨロシク的なバカCG作品。3DCGゲームなどで見られるCGのモーションがエラーを起こして予測できない珍妙な動きを想起される。この手の演出はDavid Lewandowskiの作品など前例も多くアイデア自体に驚きは感じなかったけど、その流れを見たあとの2:20辺りの演者のドヤ顏がたまりません。
上半期見たモーショングラフィックスでこれを超えるものはなかった。1920 x 1080pxという限られた情報量のなかで、これだけ緻密な空間と美しいレイアウトを作り上げて、ただただ脱帽。。。静寂だけど、画面の外にも世界が広がっているかのような、作品のダイナミックさを感じさせられる。
自動車のCMってこんな自由で良いのかと感動。
レコードの盤面に出力されたQRコードにARのCGが映し出される作品。将来的に音のデータを拾ってリアルタイムでアニメーションされたりしたら面白そう。ARで3DCGなゾートロープとかできたら良いのに。
FITCカンファレンスのOPも素晴らしかったが、このアニメーションも画面の作り込みがしっかりされてるのに、見やすい画面作りと参考になる要素多し。。。
港町13番地がなぜかプリントされコマドリされた謎作品。いまだに作品のよさを言語化できないけど、強烈だったのでピックアップ。
くわがたさんの卒業制作「ゆきすすみさりゆき」。本来はtumblrのサイトでスクロールして鑑賞するのだが、個人的にリニアで鑑賞するタイプが好み。異なるデザインの少女と背景がモーフィングして繰り返す姿に、洗練され様式化した表現ジャンルを1分半という時間のなかに一瞬で圧縮したようなイメージを想起してメチャクチャ切なくなった。
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と、厳選したら上半期は10作品になった。上半期はなんとなくモーショングラフィックスに良作が多かったなーという印象。下半期は実写作品やフィジカル(コマ撮りや3Dプリント系)なアニメーション表現に期待。
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