2012年5月24日木曜日

【ご報告】REPUBLICお疲れさまでした



cokiyu + Yuji Tanaka (dr.) × Takashi Ohashi
- VJ Crew
Animation & VFX: Takashi Ohashi takashiohashi.com/
Movie: Wataru Yamamoto adoledicta.nobody.jp/
Switching: PLUM(Hiroki Kato & Saori Shiroshita)vjplum.tumblr.com/


- Archive Crew
Edit: Takashi Ohashi
Photograph: Wataru Yamamoto
Movie: Koya Yokoyama vimeo.com/koyayokoyama

- VJ set gif animation
http://dr-beneshu.tumblr.com/


ってなわけでREPUBLIC vol.9@WOMBでのcokiyu×大橋史としての出演が無事終了しましたー。今回のアーカイブ制作では、多摩美の後輩である横山香哉君のサポートを得て実現しました。FBでビデオの撮影に協力を呼びかけたら自ら名乗り上げてくれ、求めてるもの以上のクオリティの素材を提供して、チーム一同感激しました。。
アーカイブの映像、まるで10代頃に好きな女の子と行く夏祭りみたいなキュンキュンする感じが伝わるでしょ?




出演にいたっての経緯なんですが、3月頭にFB上でオーガナイザーの石澤さんから突然REPUBLIC出演の依頼が。ちょうど一年前に映像作家100人2011年度版に自分が掲載され、そのリリースパーティーとして開催されたREPUBLICで初めてこのイベントの存在を知りました。ただ当時の自分はクラブという空間や、ダンスミュージックを集団で聴くという鑑賞方馴染めなかったり、(単に友達が居ないだけという、、)そもそもVJというものが嫌いでした。


しかし、ちゃんとその文化圏について見ても聴いてもいないのに自分の価値観と見合わない文化を否定したり切り捨てるのはモノを作る人間の姿勢としてどうなの?って思い出演を希望することに。共演するミュージシャンはもちろんcokiyuさんにお願いして頂いてVACANTでのYour Thornリリパと同じ写真家の山本渉とPLUMを呼びかけVJチームを再結成して4月頭から企画を練ることになりました。今回のドラマーは田中佑司さんというアクロバティックで力強いパフォーマー。当日は徹夜で出演したらしくテンションがヤバかったです。スイッチングの際に佑司さんのドラムにつられそうになったのが大変でしたが、cokiyuさんの繊細な音楽性に骨太なリズムが対比されてて、とても心地いい音が空間を飛び交ってました。


REPUBLICでのタイムテーブルや自分達が出演するハコを想定して、cokiyuさんから「テーマパークにいるかのようなダイナミクスのある演出(本当はディスニーランドにいるみたいなワクワクする感じ、、というcokiyuさんのムチャぶり)」という要望を頂きました。曲ごとに異なるルックの映像演出やセット全体を通して一貫したコンセプトを企画していきました。


ちなみにライブセットのテーマは「水循環」と、ちょーベタではあるのですが、以前うちの学科のkbt教授から「コンセプトにオリジナリティが必要とは限らないが、アプローチにオリジナリティは必要だ」という言葉を思い出して、水の循環の解釈を自分なりに工夫していってビジュアルにもソレを反映させることを考えました。VJ素材を作る際に注意したのは、VACANTのときとは違って、ラウンジの壁全体が映像を投影されるという点でした。360°プロジェクションされたときに、ちょっとでも明度が高い素材を使うと空間が白くとんでしまうので、基本黒バックの素材にテクスチャーや模様が空間全体を包み込むことを想定した素材を作ることになりました。

当日のライブセット
m1. Gloomy...川の激流


m2. In The Air...雷雲


m3. Mirror Flake...雨雲


m4. With My Umbrella...雨によって活発化する微生物


m5. Roadz...血液/葉脈(生物の中の水分)


m6. Your Thorn...体内の物語
(Your ThornのMVをそのまま使ったので割愛)

相変わらずAEで完結するCGアニメーションに拘って制作してます。基本となる構図や動きをシェイプアニメーションで作って、コンポジション全体をレイヤースタイルを使って加工+ディストーション系+ノイズ系+グロー系のエフェクトのコンボで質感や風合いを出していきました。逆に使わないようにしたエフェクトはカメラブラーと細かいパーティクルを使って風合いを出すことです。Your Thornのリリパで散々使ったうえに、簡単にそれっぽさが出せるのが面白くないので、あえて使わないように自らルールを設けました。

唯一AE以外で作ったのがm1のGloomy。これに関しては実写の映像を山本渉が撮影→PLUMの加藤君と僕とで加工/編集してます。スリットスキャンのコマドリは僕が作りました。スリットスキャンという手法そのものは自分が欲しい動きを作り易くて大好きなので、今度もVJ素材で使っていきたいですね〜。


しかし改めて考えてみれば、cokiyuさんとのコラボには一貫したテーマがあって、例えば前回のYour ThornのMVやVACANTの映像演出も「現象にドラマを与える」ことがテーマになってるんだなぁと最近になって気付きました。cokiyuさんの音楽性にはドラマというか劇的さや感情を高揚させるような展開がいつも欲しくなります。



しかし今回のREPUBLICでは実際に自分が出演する側に回ってみてクラブという空間やVJの面白さを見直して大好きになりました!スケブリさんとyakoさんのパフォーマンス、安田さんの静止画VJ、谷口さんの実家3D、センボウさんの度肝抜くインタラクティブVJに圧倒され、今までの自分の映像に対する向き合い方というか認識の狭さを痛感。。。


ほんとうに今回のイベントに出演出来て良かったです。。。






見にきて頂いた皆様、本当にありがとうございました!
そしてアーカイブ制作や当日のパフォーマンスに協力して頂いた皆様、本当にありがとうございました!!!!!!!!!!!!





2012年5月14日月曜日

【VJ出演】REPUBLIC Vol.9 - 5/19@渋谷WOMB



2012/05/19 REPUBLIC Vol.9~映像作家100人 2012 リリースパーティ~

特別協賛:sonicjam Inc.
メディア協賛:white-screen.jp
                      CBC NET


【WOMB】13:30-21:30(予定)
当日¥4,500
前売り¥3,800
※ドリンク代別途

・前売りチケット
イープラス
http://bit.ly/FW3cyW
チケットぴあ
http://bit.ly/IrHgOr
ローソン  【Lコード:75174】
http://l-tike.com/
学割予約フォーム (3,500円)
http://bit.ly/Irjp58
1DAYチケット(7,000円)
http://t.co/S3Er76gS (ネット予約)



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日本の映像作家の最先端を紹介する書籍「映像作家100人」シリーズと日本のオーディオビジュアルイベントのパイオニア「REPUBLIC」が、コラボレーションし、「映像作家100人 2012」のリリースを祝して、2012/05/19(SAT)に渋谷で音と映像の祭典を開催する。
今回は昨年まで行っていた「WOMB」のDAY TIME開催だけにとどまらず、さらに渋谷「WWW」でのNIGHT TIME開催も行う。
出演陣もSOUND ACT、VISUAL ACTともにオーディエンスの聴覚と視覚に「新しい体験」を提供できるアーティストをジャンルレスにチョイス。もちろん、「映像作家100人 2012」に掲載されている映像作家陣も書籍のリリースを祝して、エクスクルーシブなVJセットを披露する。
さらに、今回は今までのシリーズにもまして、音と映像のコラボレーションを高めるために、事前にSOUND ACTとVISUAL ACTが綿密な打合せを行い、この日にしか見れない極上のオーディオビジュアルショーケースを披露する。
また、前回好評を博した各フロアの映像演出もさらにスケールアップ。プロジェクターと液晶モニターを大量に特設で用意し、「WOMB」と「WWW」の全フロアを余すところなく映像で包み込む。もちろん長時間にわたる開催にあたってのホスピタリティーとしてFOODやDECOもご用意。
2012/5/19(SAT)渋谷に、誰もが分け隔てなく体験できる音と映像の「共和国」が生まれる。



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ってなわけで今週末(5/19)に渋谷のWOMBでREPUBLICにcokiyu×大橋史(+山本渉+PLUM)というVACANTで行ったYour Thornと同じメンバーで出演することになりました。18:50頃にWOMBの1Fラウンジで出演になっておりますので、是非遊びに来てください!

今回もVACANTと同様にひとつのコンセプトに基づいて楽曲に様々なイメージを与えたVJをご用意しています。今回のイベントのために作りおろした映像ばかりです。そしてドラムは"くるり"の田中佑司さんを迎えての豪華な演出になっております〜。僕らが出演する時間帯では、metomeさんにやけのはらさんなどオーガニックで透明感のあるサウンドに定評のある方々が出演するタイムテーブルになってますので、ゴリゴリのクラブミュージックが苦手な方にもオススメです!チッスチッス!!!


父ちゃん母ちゃん誘ってREPUBLIC!!!
気になるあの子を誘ってREPUBLIC!!!
デートの口述にもオススメのイベントです!(近くにラブホも沢山あるから尚更!)


ではでは会場でお待ちしてます!



2012年4月24日火曜日

【新作】CHANNELER公開 ー演出編


Director: OHASHI Takashi(takashiohashi.com/ )

Composer: HABUKA Yuri(yurihabuka.web.fc2.com/ )
Mixer: ISHIDA Taro(taroishida.com/ )
MC: ONIPARI
Support Staff
Sound engineer: MOTOKI Kazunari



言葉の変容
「言葉は知性に取り憑かれ、そして人間はその言葉に取り憑かれてるのではないだろうか?」という問いに適切なプロットとして私は「人間の一生」をベースにしたストーリーを考えた。取り留めのない主人公が淡々と成長してゆき、言葉のバリエーション(名詞、接続後、主語、動詞など)や言葉つかい(丁寧語やネットスラング)が変容する過程をシステマチックな構造にすることで、「言葉の変容」をダイレクトに鑑賞者に伝わるミニマルなアプローチがないかと考えた。

それを踏まえて具体的に音楽とビジュアルを作曲家の羽深由理と音楽家の石田多朗と検討してゆくなかで日本語の面白さを表現するのにはHIPHOPが適切なのではないかという結論に達する。HIPHOPは過去の引用(リスペクト)の繰り返しであると同時に、それは日本の俳句や百人一首も同じです。俳句は韻の固まりであり、言葉の扱い方も韻を踏む様なニュアンスであると言及し、百人一首の歌は、声を発した時に噛み心地の良さがあります。
例:「かきくえば かねがなるなり ほうりゅうじ」

この韻(フレーズ)を繰り返す構造に合わせて主人公の表情と言葉つかいを少しずつ変化させるアプローチは、プロットの練る段階で実現させたかった「ミニマルなアプローチ」に適切だと核心しました。


上の画像は作曲を担当した羽深由理による年齢に応じた言葉(文体)の変化を表にまとめたもの。この表に基づいて、MCのONIPARIがリリックを制作した。幼年時代は「あ」や「う」といった仰向けの状態でした話せない身振りによる言葉から、母音が「あ」で構成された言葉から疑問系の言葉に増え、物心つく6歳ごろにはほぼ全ての言葉が使えるようになり、10代では若者言葉、20代からは遠回し表現に敬語といったTPOをわきまえた言葉を使うようになる。

ここで改めてリリックを見てみる。
ぼく、カレーたべたい
ジュース飲みたい
それじゃない
オレンジジュース飲みたい
かき氷ならイチゴよりレモン
友達はみんな、ドラえもんよりも
DSのポケモンだって
ねーお母さん僕も欲しい
だって、もうすぐ誕生日だし
買って買ってお願い買って
ホント、一生の、お願いだって
(幼少期6歳以下)
最近、気になる隣のクラスのあの子
長い髪のテニス部のあの子
学校行くの面倒くさい
でもあの子に会えるならちょっとぐらい
行って帰りはマックでポテトフライ
でも買って友達とだべって
でも中間テストは明後日
良い点とらないとチョー怒られる〜
(10代前半|小〜中学生)
ありがとうございます
合格祝いに買ってもらったPC
TVよりもPCの前で
頬杖ついてかじりつくようつべ
リア充の先輩にはテキトーに、
話合わせる「ハハ、そうっすね」
現実は就活難民、またダメポ(´д`;)
社会の窓ってどこなの?カオス
ハイ!私はwebに興味があり
簡単なHTMLサイトなら作れます!
ほう、、、そういう人材を求めてます
(10代後半〜20代前半|学生)
上司に褒められる、夢で目覚める
グッドモーニング出世憧れる
上司に怒られる、夢で目覚める
バッドモーニング冷や汗が流れる
客に迫られ検討します
構いません休み返上します
その場しのぎでフワっとぼかす
休日出勤マジで引きます
出来ればあんたとはもう二度と
会いたくないです、は〜疲れた〜
お得意様にはまた今度
一杯行きましょって、は~疲れた~
(20代後半|社会人)
相手なんて知らねえよ 大抵最低な奴だよ 
泣いてないでがんばれってうざいね 
塞いでるわたしの心にサイレン
裸のままな働かないで
生きていけたらあたかも魚
はたから見たらただの馬鹿だ
はたまた頭また固まった
温まったまたか
あんたがったどこさ
戦った刀どこ置いてきた
母の腹から華やかな墓場
儚いあかさたなはまやらわ
(言葉に人が取り憑かれた状態)
このように、シーンごとにリリックを見比べると、人間が言葉を覚える/使い分ける年齢に応じてリリックを書き分けているのが理解出来ると思います。



Animatope同様に音節に抽象アニメーションをシンクロさせつつも、リリックが韻をふむタイミングで抽象アニメーションから人の顔を描いたアスキーアート(以下AA)になるアイディアを思いついた。文字や記号を使うことで、本能の言葉が文字という知性を宿した形を得るという意図があるからだ。音楽もJazzyHIPHOPというより打ち込みメインのドライでフラットなシンセサウンドにラップがかぶさる演出に決まってゆく。





人の成長/変化を表す表現
日本語や英語など話し言葉には文法があり、目的に応じて決められた「型」があります。それは映像や音楽にも同じことが言え、CHANNELERの場合は言葉の変容をミニマルに表現するために適した型(構造)を時間軸に与えて表現することが必要でした。映画で使われるカメラの視点のカットを繋ぎ合わせたモンタージュの手法はスクリーンの中で描かれる舞台のスケールや、役者の感情表現を台詞ではなくビジュアルだけでも表現できる編集方法であります。しかし一人の男の人生と成長に伴う言葉の変化だけを描くというシンボリックな見せ方で表現したいと思いカメラから見た視点である必要はなく、また演出上、文字(フォント)を使うため、フォントのもつフォルムの美しさを損なうような演出、、例えばエッジをぼかしたりテクスチャーを施すような事は出来ないと考えました。そのため被写界深度、カメラぶれ、異なる視点からのカット割りや場面の変化などの映画的な演出も抑えて、映像を「別世界と見るための窓」ではなく、動きとシルエットだけが見えてくる平面的な見せ方にしました。


上の画像は映像の展開を練る段階で草案として出したスケッチボード


ビジュアル・ミュージックのあり方として、映像は物語を表現するためのメタファである必要はありません。物語は作品の入り方として分かり易くするためのアプローチにしか過ぎず、物語を描くという行為そのものにあまり興味もありません。問題は言葉の変容を時間軸の構造でどう表現するかであり、変化のさせ方としてHIPHOPミュージック特有の韻を踏む構造に着目しました。そこで私はドイツのアニメーション作家であるアンドレス・ヒュカーデの「愛と剽窃」という作品の構造を下敷きにし、韻を踏むときに人の顔を表してフレーズごとに表情や言葉つかいを変化させるアイディアを思いつくことが出来ました。シンボリックな顔をフレーズごとに変化させる構造にすることで物語はありつつも肝心な言葉の変化と、それに伴う主人公の変貌をミニマルに表現できるからです。



絵文字
文字はヒラギノ明朝体でタイピングできるフォントのみ使用している。ヒラギノ明朝体を使用した理由だが、言葉に取り憑かれた人間が魑魅魍魎としてゆく様を表現するために、実際のAAのようなプロポーショナルフォントを使用してグリッド上にタイピングするより、ヒラギノ明朝体の抑揚のあるなめらかな曲線のフォントを使って金剛力士像のような隆々とした表情のキャラクターを作品の終盤で作ることを想定していたのが一番の理由である。

文字を組む際のルールは
●ヒラギノ明朝体でタイピングできる文字と記号のみ使用
●大きさ、傾きは自由
●文字に輪郭線などを加えて太さを調節することはしない
●文字の造形をそこなうブラー、グローなどのフィルターを禁止


After Effectsのコンポジット画面。
フォントはアウトライン化したフォントのパスをシェイプレイヤーとして使って構成している。


このように、ポップなマテリアルで取っ付き易い作品ですが、完成させるまでに言葉のリサーチを積み重ね、演出に様々な制約を自ら設けて制作に挑みました。鑑賞者にとって作品との向き合い方は様々だとは思うのですが、僕自身は作者自らの言葉によってこの作品がより深化するものだと思います。そして今回のエントリーをご覧になって鑑賞するうえでの新たな発見があることを切に願います。


そして作品を完成させるまでに様々な方おご協力がなければ一年間モチベーションを維持して制作することは出来なかったと思います。この場を借りて感謝を致します。本当にありがとうございました。